会社の担当者へ

肝炎の社員への対応

肝炎の社員への対応

検査結果を会社が取得する場合もしない場合も、検査や結果について、社員から相談や質問が寄せられることが考えられます。あらかじめ対応する相談窓口を設置し、周知しておくことが望ましいでしょう。相談対応にあたっては、守秘義務を守ること、健康管理の目的以外に情報を用いないことを徹底するようにしましょう。

非医療職が窓口となる場合は、必要に応じ医療職と連携をとるようにしましょう。


相談窓口の設置

法律上、会社は社員の安全と衛生を確保することが求められています。
その中心的な役割を担うのは、管理監督者、また人事労務スタッフや産業保健スタッフであり、これらの関係者が職場において社員が健康上の問題を抱えた際の相談窓口となりえます。各関係者が担うべき具体的な役割は以下のとおりです。

管理監督者 職場環境等の問題点の把握と改善、就業上の配慮
人事労務管理スタッフ 労働条件の改善、配置転換 ・異動等の配慮
産業医 ・専門的な立場から、管理監督者及び人事労務管理スタッフヘ助言及び指導
・主治医との連携における中心的役割
・就業上の配慮に関する事業者への意見
産業保健師等 社員に対するケア及び管理監督者への支援
衛生管理者 社員に対するケア及び管理監督者への支援、 産業医、人事労務管理スタッフや事業場外資源との連絡調整

本人との連絡

社員が治療を受ける場合、会社は社員の健康と安全確保のため、就業上配慮すべきことを把握する必要があります。 会社側は、社員本人から病状に関する情報を収集し、また社員に対しては休職等の社内制度について情報提供を行います。ただし、その際にはプライバシーには十分配慮しながら情報収集を行う必要があります。

病状に関する情報収集

社員から会社

病状等に関しては、社員本人に確認することが第一義的には必要です。会社として社員が就労継続できるようにするには、これまでの経過・現在の症状・今後の見通し・就業上できること・やってはいけないこと・仕事に対する本人の思い等、配慮すべき事項の情報を収集する必要があります。

制度についての情報提供

会社から社員

会社側も社員に対して、休暇・休職制度、健康保険や互助会・共済会等の制度等について情報提供を行うことが重要です。社内の制度を知ることで、社員自身も治療に専念できる期間等を把握でき、安心した療養生活を送ることが可能になります。

主治医との連携

治療に関する情報等が社員本人から十分に得られない場合、必要に応じて、主治医より就業上の配慮につながるための情報を入手することが大切です。主治医との連携窓口として、産業医が選任されている場合には、産業医がその中心的役割を果たすことになり、診療情報提供依頼により治療情報等を入手することも可能です。

ただし、会社の規模によっては産業医が選任されていないこともあります。その際には、地域の地域産業保健センターに相談することも可能です。また、会社として直接情報を入手するために、本人が受診する際に同行し、本人同意の上で主治医より情報を収集することも考えられます。

主治医との連携 関係図

肝炎についての相談

社内に医療職がいない場合など、治療と仕事の「両立支援」を実施するにあたり、肝疾患について相談したい場合は、各都道府県の「肝疾患連携拠点病院」に設置された「肝疾患相談・支援センター」や肝炎医療コーディネーターに相談することができます。

肝疾患診療連携拠点病院/肝疾患相談・支援センター

肝疾患診療連携拠点病院は、肝炎の治療を専門的に行い、肝疾患に関する情報提供、肝炎患者さんやご家族への相談支援、医療従事者への研修等の機能を備える医療機関で、全国の各都道府県に配置されています。

拠点病院内には肝疾患の相談窓口である「肝疾患相談・支援センター」が設けられており、専門の相談員(医師、看護師、ソーシャルワーカー等)が、肝疾患に関する各種相談に無料で応じています。 肝疾患相談・支援センターの名称、相談時間・方法は各施設によって異なります。

肝炎医療コーディネーター

肝炎医療コーディネーターは、肝疾患相談センターをはじめとした病院や市町村の保健師、あるいは職域の健康管理担当者等に配置され、それぞれが所属する領域に応じて必要とされる肝炎に関する基礎的な知識や情報を提供し、肝炎への理解の浸透、相談に対する助言や相談窓口の案内、肝炎ウイルス検査や精密検査の受診の勧奨、医療費や精密検査に関する助成制度の説明等を行います。

活用可能な様式

以下の様式は、治療と仕事の両立支援のために情報をやりとりする際の参考例です。ご自身の会社で実際に様式を作成する際には、社内で十分に検討し、本様式を必要に応じて加除修正するなどにより、会社の実態に沿った様式を作成しましょう。

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